加齢と共に腰痛の悩みは増加傾向にはなりますが、看護業務も患者さんを抱き上げる行為が禁止されるようになったとはいえ、まだまだ腰痛を起こしやすい業務内容がいくつか含まれているため腰痛の悩みを抱える看護師さんも多いようです。
医療機関に従事する皆さんは既に腰痛に対する一定の対処方法はご存知かもしれませんが、色々調べてみたら看護師の方でも「労災申請ができる認知度も低い」なんて情報も見かけたりしたので改めて腰痛の予防、なってしまった際の知っておきたいことについて調べてみました。
●予防法として
まずは厚労省が周知している「腰痛予防対策指針」を参考に予防法についておさらいしてみます。
■姿勢への対応
厚労省の資料では「前屈、中腰、ひねり、後屈ねん転等の姿勢は極力とらない」とありますが看護業務では前屈や中腰になるケースは多々予想されますよね。このようなケースでは
「膝をついた姿勢にする」
のが、望ましいそうです。あまりに膝と床との接触が多いと膝が黒ずむ色素沈着もあり得るかもしれませんからサポーターをつけるのも良いかもしれませんね。なんて美容皮膚科、外科専門の求人紹介会社っぽいことを言ってみたり(笑)
ケースによっては膝までつくのはオーバーすぎて恥ずかしいということもあるかもしれませんから原則は膝をつくなどより安全な姿勢に努めるべきでしょうが、場合によっては「両足を揃えたまま屈んだりしない」点を常に意識しておくと良いかもしれません。
筆者も腰痛をおこやすい体質ですが軽いものを屈んで取り上げるケースなどは片足を前か後ろにずらして足を揃えずに取るようにしたことで腰への負担は減りました。
長時間の姿勢では座位は「片足を台などの高さの異なるところへ乗せる」立位は「座面の高い椅子を用意しておく」といったものが提案されています。いずれにせよどちらも隙を見ては逆の姿勢をとれるようなれればベターではあるのでしょうね。
そして腰に負担がかかる行為をするときは「なるべく対象に近づき、お腹に力を入れながらやる」と良いそうです。
●もし腰痛になってしまったら
治療については看護師さんの方がより詳しい相談相手などがいるでしょうから、そちらにお任せしましょう。
冒頭で話した労災認定については看護業務の最中に起きた腰痛であれば災害性がなくても日々の蓄積によって起きる腰痛でも労災の認定基準になりえると厚労省が発行しているリーフレットに記載されています。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/111222-1.pdf
とはいえ、腰痛で労災と言う認識が社会全体的にみても高いとはいいがたいですから勤続疲労によって気になり始めたら、どういう業務で腰に負担がかかっているか具体的なメモをとったり、病院の総務への相談、管轄内の労働局、労働基準監督署などへも相談してみるのも良いでしょう。いわゆるぎっくり腰では業務中であっても認められないのでご注意ください。(その動作自体に異常性がある場合は別です。)
●やっぱり腰痛にならないようにするケアも大事
腰痛も労災を申請できるとは書いたものの確実に認められるかは不透明ですし、現実として今の多くの看護師さんは我慢してしまっている現状もありますし、誰もが進んで腰痛にはなりたくないはずですから、まずは冒頭で書いた動作の最中の予防と共に蓄積していく疲労をとる事も大事といえるでしょう。
冒頭で参考にした腰痛予防対策指針のリンク先PDFの51ページ目には介護・看護作業向けのストレッチ法なども紹介されているので参考にしてみてください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034mtc_1.pdf
また、オールアバウトさんのサイトでは寝る前に出来る簡単な腰の疲労をとる方法なんかも紹介されています。
https://allabout.co.jp/gm/gc/427000/
他にも動画などで腰に良いストレッチが紹介されているケースも多数あります。このような健康法を気軽に調べられるのはインターネット社会になった良い側面ともいえますよね。利益重視で真偽不透明な健康情報も飛び交っていたりするのは残念ではありますが正確な業務に努める看護師の皆様には少しでも元気でいてもらえるよう私たちも陰ながら応援しています。激務の中、患者さんへの優しい対応には日々頭が下がります、ありがとうございます。
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