フルタイムで働く看護師にとってみると休みが完全に定まっているわけではなく、プライベートを確保するのは意外と大変なことです。プライベートがなくて大変と嘆く人も少なくありません。自分の時間が少なくなることはなぜこの仕事を続けているのかと看護師という仕事に対する自信を失うことにもつながり、いいことはありません。一方でプライベートの時間がないことは普通だと思っている人が多いのも事実です。それは患者などに尽くすことが仕事だからだと思っているからですが、自分の生活も充実してこその奉仕ということに目を向ける必要があります。
では、どのようにプライベートの時間を確保していくかですが、ポイントは今の勤務状況とこれまでに経験してきた仕事内容です。今の勤務状況は二交代制や三交代制など様々なあり、個人の病院であれば午前と午後の中でこの日は半休など様々な時間のとり方があります。どれだけ激務なのかを可視化させて自分の時間をどれだけ確保したいのか、これを確認する必要があります。特に子育てを行う人からすればこの時間なら家族との時間を優先させたいとか色々な思いが出てきます。それをはっきりと決めてから確保するための対策を立てることが必要です。
これまでに経験してきた仕事内容がなぜプライベートの時間を確保することにつながるのか、それは転職をした際にギャップを感じずに始められるからです。個人の医院に勤めていた看護師の場合、眼科専門とか泌尿器科専門だった場合にいきなり皮膚科の病院で働くことになれば専門的な知識がないところへ行くので勉強などを必要とする場合があります。しかも、この時はどのようにすればいいのかというのも分からず、丁寧に教えてもらうことになるため、時間を確保することが難しくなり結果的に確保しにくくなることにつながります。
大学病院の看護師であれば、様々な案件を抱えており処理能力も相当なものがありますが、個人の医院ということになると勝手が違う部分もあります。それは逆のパターンでも言えます。同じような仕事でもその規模によって全く仕事内容もその濃さも違うということは知っておきたいです。同じような仕事をして、しかもゆったりとした仕事が行えそうであれば確実にプライベートは確保できます。そのあたりを認識して転職活動などを行っていけば、プライベートを充実させてそれを仕事に活用し、幸せに働くことができるようになるというわけです。
なぜプライベートを確保しにくいかといえば、結局のところは仕事が多いからというのが当てはまります。ということは、最初から仕事が少ないものを選べばいいことになります。この場合の仕事が少ないというのは、患者の数が少ないということですが、さすがに少なすぎても困ります。なので、そこの部分でチェックするというよりは残業の有無でチェックすることの方が健全と言えます。個人の医院によっては予約制にしていて患者の数をあらかじめ制限しているところとどんな患者でも受け入れるようなところに分かれ、雲泥の差になりやすいです。
皮肉なもので、腕のいい個人の医院ほどそれだけ人が集まり、給与もいいですが残業も多いです。逆に適当なところほど仕事は暇でプライベートも確保できるけど給与は低いという現実があります。こうしたこともあるので別の道から模索するのがおすすめです。例えば採血だけを行う業務などは基本的に採血の技術さえあれば成り立ち、残業もほとんどありません。企業にある保健室というのも仕事量は少なく、それでいて企業の就業時間に準じているのでそれに合わせて帰ることも可能です。病院ではないところも視野に入れる必要があります。
最近、介護に従事する人の中で夜勤で働き、稼働日数を抑える人が増えています。夜勤で働くことで時給が割り増しされ、稼働時間も長くなるので1回あたりの給料がかなりのものになることや夜勤に出れば実質的に2日間の休みが確保されるのでそれが気楽であるという理由で始める人が多いです。看護師の場合にも同じであり、夜勤専門で働くのも1つの手です。メリットとしては基本的に容態が急変した患者の対応とバイタルチェックなどの一般的なことに限られ、激務からは多少縁遠い状態になります。朝に仕事が終わるのでそこから遊びに出かけることも可能です。
看護師の仕事は大変であり、プライベートはなかなか確保できないものだと思っている人が多いですが、実際は自分の工夫次第でいくらでも確保できます。フリーの立場で働く人もおり、企業の健康診断のバイトなどで生計を立てる人もいます。なので、病院で働かなければならないというわけではありません。むしろ副業なども取り入れていくことで柔軟な働き方ができるようになります。あとはキャリア形成をどのようにしていくかも考えつつ、自分にとって働きやすい状態で長く頑張っていくことが必要になっていきます。